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既存事業内にも潜むニッチ
  
 ポジショニング・マップの活用

ポジショニング・マップ・・・
マーケティング手法が高度化・定量化した現在、大変古典的な手法ではありますが、
使い方によっては非常に有効です。
しかし、使い方によっては何も見えないどころか誤った方向に進むことになります。

特に消費財メーカーや消費者向けサービスを行なっている会社は、以下の2点を検証すると、
自社の事業領域内に、思いがけないニッチやビジネスチャンスを見つけることができます。

◆事業領域の再定義
 ・関連多角化が可能か
 ・製品販売だけではなく周辺サービスを付加するなど


◆顧客ニーズの再定義

これには、ポジショニング・マップを活用すると自社の現状と今後の機会が浮き彫りになってきます。

当社のクライアントの実例は出せないので、「顧客ニーズの再定義」のわかりやすい例として
自動車のマツダ「RX-8」の事例を見てみましょう。

90年代後半から、極度の経営危機に陥ったマツダは、米フォード社の支援を経て再建中でした。
世界で唯一のロータリーエンジンを搭載したピュア・スポーツカーであったRX-7およびロータリーエンジン自体も
フォード社の意向として、開発中断の予定(経営サイドから見れば当然の決断といえる)でした。

しかし、開発途中であった次期RX-7後継車の試作車の乗り心地の楽しさと開発陣の熱意に、フォード側は
アメリカで任意保険料率が安い「4ドアであること」という制約をつけたのです。
開発陣からすれば、スポーツカーの軽量さが損なわれる4ドア化には猛反対がありました。
そこはロードスターという軽量コンパクトな名スポーツカーを世に送り出したマツダの意地であったのかもしれません。

結果的に「観音開きの4ドアで、大人4人がゆったり乗れ、ゴルフバッグが2セット積むことができる」という、
スポーツカーのコンセプトとしては中途半端な車が世に出されました。

しかし、発売とともにRX-8は値引きなしで確実に売れ続け、次期スポーツカーの開発を確実なものとしました。

下図は弊社で作成したRX-8のポジショニング・マップです。



                                               (作成  株式会社ソーコム)


このポジショニング・マップは、4ドアという前提で開発しなければならなかったRX-8の制約を逆手にとって
顧客のニーズ内に、あきらかなニッチが潜んでいたことを表しています。

このポジショニング・マップでは、顧客のライフスタイル、ライフステージ、嗜好についてたった1枚のマップに
落とし込んで、分析することができます。

結論から先に言うと、RX-8がヒットした要因として、ポジショニング分析をすると
、以下の4段階で捉えられます。

  1. 若い頃スポーツカーの魅力にとりつかれた30代以上の家庭持ちの男性にとって
  2. RX-8はファミリーカーとしての日常用途と、スポーツカーとしての非日常的な存在のいずれをも1台で満たす唯一無二の車だ               
  3. スポーツ性(早く走り、思い通りに曲がり、しっかり止まる)と実用性(乗車人数、積載容量、乗降のし易さ)をどちらも高次元で両立させ尚且つ安いといったベネフィットを提供する                            
  4. ピュアスポーツカーは現在ニッチな市場となってしまったが、潜在的なスポーツ嗜好の顧客はファミリー層の中にも拡大できる(マップ内矢印)。                                   

ピュア・スポーツカーと比較して、価格が2百万円台中盤と安いことも見逃せませんが、現状のライフスタイルに不満な30代男性の
買い替えと、2ドアのスポーツカーが欲しい層の現実的な受け皿となったことが主要因です。

ポジショニング・マップの左下(第3象限)にも空白ゾーンがありますが、ここへの戦略は意味がないことはおわかりだと思います。
つまり、ピュア・スポーツカーというニッチゾーンには、スポーツセダンで我慢しているファミリー層をとりこむ扉が隠されていたことが、
右上(第1象限)の空白ゾーンからわかるのです。

よく、「価格」「機能」「流行」のような軸を用いた何枚ものマップを見かけますが、これらからはほとんど何も見えてきません。
顧客のニーズを掘り起こすような視点で作成すれば、たった1枚のマップが多くを語ってくれるのです。

結果論的な分析と、予測上の分析はまったく主旨が異なるものですが、何も情報がないニッチ市場・新顧客に対してニッチ商品で
斬りこんでいくことは無謀な場合が多いのです。既存事業内の既存顧客にニッチ市場を見出せば、遥かにリスクが少なく、
効果的なのです。



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